感染拡大状況を注視しながら開催を検討してきましたが、
結論としては今年度の開催を見送ることとしました。
演劇ビギナーズユニットは、演劇初心者が約3か月をかけて、
創作に必要な様々なワークショップを経て、合意形成を繰り返しながら、
参加者の共通目標である修了公演に向け、集団で、
もちろん対面による練習によって、舞台作品を創作するプログラムです。
参加者自身が主体的に作品を創り上げていく過程で、
多様な価値観と出会い、仲間意識を高めて、
普段とは違う自分へと一歩を踏み出す力を蓄えます。
演劇創作は、出演する仲間との作品創作におけるコミュニケーション、
公演を通した観客とのコミュニケーション、と、
全てにおいて緊密な距離を必要とし続ける場でもあります。
その中で、自分や他者に向き合うこと、人と人との関わり合い、
そうした時間の積み重ねこそが青少年が成長する機会を生むことから、
演劇創作と同じように、そうした観点も大切にしてきました。



ところが、新しい生活様式として、ソーシャルディスタンスや
接触機会の削減が引き続き叫ばれるなか、
もちろん、色々と工夫してやれることはあるけれども、
肝心の対面による稽古に制限を加えながら無理に開催しても、
しかも、演劇初心者が本来の稽古が十分にできない状況で舞台に立っても、
それでは、演劇創作の醍醐味を伝えることができないのではないか、
ひいては今まで大切にしてきた演劇ビギナーズユニットの本質を
深く体験していただけるような形で、この青少年育成プログラムを
実施するのは難しいのではないかと判断しました。
今年こそはと参加を予定していただいていたみなさま、
公演を楽しみに待っていただいているみなさま、
演劇ビギナーズユニット卒業生や関係者のみなさまには、
大変残念なお知らせとなりますが、
どうか、ご理解をいただければと思います。
最後に、演劇ビギナーズユニットプロデューサーの大熊ねこさんと
今年から演出を担当していただく予定でした、岡本昌也(安住の地)さん、
演出補佐の中村彩乃(安住の地・劇団飛び道具)さんから、
今回の見送りについて、みなさまにぜひお伝えいただきたいと
メッセージをお寄せいただいていますので、
こちらも、ぜひご一読ください。