2005年12月01日

田辺さんのビギナーズ体験(S13)

Beginners' Unit Revisited!、第13弾は田辺さんのビギナーズ体験です。
田辺さんは5期(1998年)のビギナーズ受講生で、花田明子さん演出の
「ガーデン〜空の海、風の国」(渡辺えり子作) に役者として出演されました。
その後、5期のメンバーと共に劇団(t3heater)を立ち上げ、自ら脚本と演出を手がけ、
劇作家、演出家としての注目を集めています。また、フリースクール・みらいの会で、
不登校生徒の演劇公演づくりを支援する活動も続けられ、
その公演は国内はもとより韓国でも実施されています。
マルチに活躍されている田辺さんのブログはこちら
※劇団名t3heaterの3は正式には、上付き文字(tの3乗のような標記)ですが、
このブログでは、うまく修飾文字で表現できないことをお断りしておきます。

tana3.jpg tana2.jpg tana1.jpg

「演劇」のチカラ
3年いた劇団が解散してどうしようかと思っていた頃に「ビギナーズ」の存在を知った。
1998年の春のこと。もう一度やり直すつもりで、しかも劇団では演出や制作の担当で
役者をやったことがなかったし、良い機会だと申し込んだのだった。

「ビギナーズ」の修了公演は8月の末にあった。本番が近づくにつれ、
週二回の稽古では足りなくなり毎日のようにみんなで集まった。
演劇の理屈なんか誰も知らない。
ただ目の前にある台本を必死で覚えてひたすら動いていた。
ちなみに僕が演じたのは「原始人の主婦」。今思うとすごく恥ずかしいが、
当時はそんなこと言ってられなかった。とにかく走りぬけたのだ。

公演が終わっても興奮は冷めなくてメンバーの数人に芝居をしようと声をかけた。
かつていた劇団の代表が書いた脚本はどちらかというと難解で、
僕らの経験も足りずうまくいかなかった。
というよりは、おもしろくないとはっきり言われた。
あの夏の興奮もこの頃にはさすがに冷めていて、けれどもやはりくやしかった。

「おもしろいね」と言われるまでもうしばらく続けないかと僕は話しを続けた。
そうして「t3heater」(しあたー)という劇団をつくり、
僕以外の創立メンバーがいなくなるまで続いた。
今は劇団としては「トランポリンショップ」と名前を変えて、
また僕個人はそれとは別に「下鴨車窓」というプロデュースユニットを持ち、
2つの集団を軸に活動している。

今年の春、幸運なことに講師として僕は「ビギナーズ」に戻ることができた。
なんだか古巣に帰ったような気がして、
長い時間をかけて一周したような気がしてとてもうれしかった。
この中からまたしばらく続けようという人は現れるのだろうか、
苦しかったりつらいことが圧倒的に多いけれども、
それでも演劇を好きでいてくれる人はいるのだろうか、
そんなことを思いながら受講生の前に立っていた。

これからもこの「ビギナーズ」がいろんな人にとっての出発点になればと思う。
たとえそれが演劇活動の出発でなくても、
それまでの日常生活のなにかが変わるきっかけになるならばそれでも十分だと思うのだ。
「演劇」にはそういうチカラもきっとある。

                                 田辺 剛(劇作家・演出家/下鴨車窓)
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Tracked: 2005-12-01 09:58