2008年07月07日

ソフトウェアテストプロジェクトのチームビルディングと演劇ビギナーズユニットの共通性(その3)

ソフトウェアテストのプロジェクトチームにおける
チームビルディングに関する因子分析を行なった
(=チームビルディングの成否を決める要因は何か)
Barry W.Boehm博士は、その因子として、
メンバーのスキル(=役者としての個々のスキル)
開発環境(=創作環境)技法(=プログラム運営、
あるいはプログラム・マネージメントに関する考え方・方法など?)

チーム力などを見出しましたが、
その中で最も影響の大きい因子はチーム力」である
ということを見出しました。
(「チームの研究と理論 成果からは見えにくい“本当の”チーム力」
(松尾谷徹,ソフトウェア・テストPRESS Vol.5,2007年,技術評論社)
より引用,ただし下線部は演劇と対比するために筆者が加筆)

タタキ(舞台装置の製作)が終わって、
その場所に舞台装置を立て込み、
初めての、ゲネに限りなく近い通し稽古が終わって、
みんなで輪になって集まり、
演出家のダメ出しを受けますが、
そこから、長い夜が始まるのです。
「このままではいけない。」、「何とかしないと。」
台詞が出てこなかった、台詞を間違えてしまった、
そして、そのために会話が止まってしまって、頭が真っ白になった、
舞台に出るタイミングを間違えた、
声が出ていなかった、活舌が悪かった、
台詞が間延びして会話になっていなかった……、等々。

これは、例年、本番10日程前から15日程前の出来事です。
ユニットのメンバーたちが、本番までの残り少ない時間を
どのように過ごすつもりなのか、どこまでやる覚悟があるのか、
全員が問われる話し合いの場面が自然と起こります。
長〜い沈黙が続き、なかなか糸口が見えない瞬間でもあります。
この時に、3の目標形成懸念の残滓の克服と
4の社会的統制懸念の本当の克服にエネルギーが注がれます。
まさに、これが演劇ビギナーズユニットの本当の正念場です。

東山センターでタタキをするようになってからは、
お盆の頃にくるみ座の稽古場をお借りして
タタキの最終日に、舞台装置を立て込んで、初めての通し
という恒例の流れは姿を消し、
もう少し前の時期から通し稽古をする年も増えてきました。

本番のパフォーマンスのレベルを上げるためには
できるだけ早い時期から通し稽古ができることが必要条件となります。
また、作品のできが早い方がチケットの売れ行きもよくなります。
作品のできに自信がないと、なかなかチケット売る勇気がでないものです。

ビギナーズの場合は、この時の話し合いでのお互いの意志確認によって、
残り少ない本番までの期間を、メンバーが互いに影響を及ぼしつつ
より効果的な活動を進められるようになり、
公演終了まで駆け抜けていくことになります。(特N)

posted by ひがせい at 00:17| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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