途中休憩は煎茶とお菓子です。
おもてなしは川津さん。
部屋の真中に青い毛氈を敷いて、30人分以上の
お煎茶を立てていただきました。
その間、そこここで、出演者とお客さまとの歓談が続きました。
やがて川津さんは煎茶のいわれを語ってくれました。

高遊外売茶翁(こうゆうがいばいさおう) は
佐賀の人で、禅宗の僧侶。
61歳の時、京に出て東山に通仙亭という茶店を開き、
売茶をなりわいとしました。
翁の売茶の方法は、移動茶店とでもいうべきもので、
自分の力で担える程度の煎茶道具をになって、
洛中洛外の佳勝の地を選び、
季節に応じてあちらこちらに茶具を運んで、
茶を煎じて売ったということです。
禅の教えを説きながら茶を売り、煎茶を通して人の道、生き方を示し、
煎茶道の精神、方向を示したということで、
この道の祖と仰がれ、尊敬、敬愛の念を集めたということです。
この移動茶店、今でいう行商のようなものだと考えれば、
ガマの油売りも行商。
これが、次の澤田さんのガマの油売りへの
パスになっています。
そういうアイデアを川津さんが出してくれたことで、
みんなのつなげようとする意識が一層高まったように感じます。


ガマの油売りの口上
小道具にカエルの焼き物、おもちゃの刀、ティッシュ。
口上は口上で堂々とやればいいのですが、
ちょっと台詞を言い間違えてから
お客さまに語りかける口調に変化していった澤田さん。
これがたいへん興味深く、澤田さんの器用さが垣間見れた瞬間でもありました。
この口上は、待ち合わせの時間に4時間も遅刻してくる恋人を待つ間、
暇を持て余し、時間つぶしに口上の練習をやっていたという設定。
その後の小芝居も、道に迷ったおばあさんが心配で
色々と手間取って遅れて来た、気持ちのやさしい恋人の心情を理解しつつも
一方で怒りの感情もなかなか払拭できない不器用そうな男を演じました。
台詞の内容(意味)とそれが発せられたトーンによって
お互いの次の台詞の言い回しが微妙に変化していくところが
実に丁寧な印象を受けました。