私たちの空間終了後、その体験談を書いていただくようにお願いしました。
第2弾は本庄さんの「私たち」体験です。
本庄さんには、ヒッチハイクでニュージーランドを旅した時の体験を綴った
自らの旅行記を朗読していただきました。
出発点
物事は自分から始めなければ何も始まらない。
でも、知らなければ始めることもできない。
だから人はまだ見ぬ「未知の何か」の手がかりを、
心のどこかで常に探し求めて行動しているような気がする。
むろん、意識しての行動かどうかは別として。
10月、知り合いの方の紹介によって
そんな一つの「手がかり」を得ることができた。
その名も「私たちの空間」。
一応お芝居に興味がある人向けのワークショップらしいのだが、
何やらいわゆるお芝居をするわけではなさそうである。
HPによると、「参加者それぞれにできること、興味のあること、
やってみたいことを手がかりに、(中略)、
自分自身にとって居心地のいい空間とはどういうものか」を
見つけていくワークショップらしい。
なんとなく「未知の何か」の匂いがするではないか。
早速翌日申し込みに行き、こうして「私たちの空間」はスタートした。
見ず知らずのメンバー7人に敏腕のGT(グレートティーチャー)2人、
ワークショップ責任者1人を加えた10人。
おっと、さらに今年のベストドレッサー賞に輝くこと間違いなしのGTのご子息、
かなちゃんも入れて11人が大正解。
週に一度集まりいろんなことをやってみた。
いす取りゲーム、顔芸、メンバーそれぞれのシチュエーション設定による朗読会、
体で表す色・静止画、即興劇、チアーダンス、一品持ち寄りパーティーなどなど。
いつ思い浮かべても一人でニヤッとしてしまう。
人と人とのつながりはどのようにして生まれるのだろう。
このワークショップにはその「手がかり」があった。
初めて顔を合わした時は、当然ながらメンバーの間に明らかな距離感がある。
2回目、3回目に集まった時は、緊張は少なくなったが、
それでもどことなくぎこちない。
4回目、5回目……と重ねるうちにより段々と自然体に近づいてきた。
だけど、お互いの距離を近づけたのは
単に顔を合わす回数が増えたという事実ではない。
うまく言い表せないが、楽しいことを楽しんでいる素の自分たちがいて、
それを認め合い、さらにその楽しい輪が広がっていくような動的なイメージなのだ。
ともかくも、あっという間だった3ヶ月間の「私たちの空間」は
発表会を行うことで一つの区切りを迎えた。
終わった後のメンバー、参加して下さった方々、会場管理の方々、
みんなリアルに息が乱れながらも、一体感とともに会心の笑顔が光っていた。
「未知の何か」から新たな出発点に立つことができた今、
ひとまず進むことにしよう。
本庄 洋介
2005年12月25日
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