2006年01月20日
藤原さんのビギナーズ体験(S16)
久々のBeginners' Unit Revisited!、
第16弾は藤原さんのビギナーズ体験です。
藤原さんには、9期から11期までの3年間、演出をお願いしました。
藤原さんは、劇団飛び道具の代表を務められ、役者を中心に、
最近は演出や演劇ワークショップの講師、落語など、
その活動の幅を広げられています。
[公演データ]
演劇ビギナーズユニット#9公演
演出:藤原大介
演出補:山口吉右衛門
平成14年(2002年)9月1日(場所:ウイングス京都イベントホール)
上演作品:「神田川の妻」(坂手洋二作)
ビギナーズユニットの演出を引き受けた最初の年は、
演劇を始めてからちょうど10年目の年だった。
大学の1年生のときに、いい加減な気持ちで演劇をやろうと思った。
いい加減な気持ちだったので、大学の中に5つあった劇団の中で、
最も真剣に演劇をやっていなさそうな劇団に入ることにした。
やり出すと案外楽しかったので、徐々にいい加減な感じではなくなってきた。
大学を卒業する頃には、自分が4年間お世話になったその劇団は
わりと真剣に演劇をやる劇団になっていた。
そしてその翌年、その劇団は解散した。
思えば、あの劇団はいい加減さが唯一の
アイデンティティーだったのかも知れない。
その後も演劇を続け、10年経ったその時には、
とにかく忙しかったり、いい加減ではいてられないような
プレッシャーがあったりで、演劇の何が楽しいのか分からん状態になっていた。
そんな中、ビギナーズユニットの演出のお話をいただいた。
[公演データ]
演劇ビギナーズユニット#10公演
演出:藤原大介
演出補:山口吉右衛門
平成15年(2003年)8月23日・24日(場所:センター創造活動室)
上演作品:「ナツヤスミ語辞典」(成井 豊作)
毎夏、受講生達に脚本を渡して稽古を始めて
「大丈夫か?」と不安に思った。躍起になった。
自分は演出なのだからどっしりと構えていようと心がけたが、
椅子に座っていることの方が少なかったのではないかと思う。
本番が近づくと、連日、東山青少年活動センターに入り浸って、
夜遅くまで稽古をすることになった。
帰り着くと日が変わっていることが多々あった。
いや、これは稽古のためばかりではなかった。
しょっちゅう飲みに行ったりしていたためでもある。
恋とか喧嘩とか色んな騒動をはらみつつ本番の舞台を迎える。
当初の不安に反して、本番の舞台は、ただ眺めて感心するばかりだった。
毎年、初心者とは思えない成果が上がった。
これは偶然ではないのだと思った。
ビギナーズユニットの舞台は参加者達の何だか分からない
衝動によって支えられていた。
この何だか分からないものが何なのか、今でも考えるが、
なかなか言葉にはなりにくい。
その3年の夏は楽しかった。
近頃の自分はいい加減な気がするので良い兆候かも知れない。
藤原 大介
[公演データ]
演劇ビギナーズユニット#11公演
演出:藤原大介
演出補:山口吉右衛門
平成16年(2004年)8月28日・29日(場所:センター創造活動室)
上演作品:「カガクするココロ」(平田オリザ作)
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