2012年12月22日

「ダンスを観る時に助けになること」が始まりました

ダンスユニット、セレノグラフィカと共同で実施している
ダンスイベント「ダンスを観る時の助けになること」が始まりました。
前半のレクチャー、ダンス公演の照明については、
照明家の岩村原太さんが、
後半の音響効果については、岩村さんの進行で、
解説は、音響の小早川保隆さんに加わっていただきました。

ダンス照明に必要なことは、からだの動きをどう見せるか。
岩村さんはスタッフの1人を舞台中央に立たせて、
前からの明かり、横からの明かり、そして、後ろからの明かりを点けて、
光の当たり具合から何が見えるか、どう見えるか、
ということを中心に、ダンス照明で考慮すべき点について解説しました。
人は、まず人の顔を見ることに慣れているので、
ダンス公演の舞台でも、ダンサーの顔に注目しがちですが、
演劇と違ってダンスの場合はからだの動きを見せたいので、
横からの明かりや後ろからの明かりを工夫して使っている、
と岩村さん。

岩村さんのレクチャーでより興味深かったのは、
人間の目は、人種を問わず青い光に反応しやすい、ということで、
人は青白い光に親和性があるということ、
また、日本の経度では、だいたい光の差す角度は、
平均で45度くらい、ということで、
照明の明かりも同じように45度の角度から差すように
吊り込むことが多いということでした。
日本人は45度くらいから差し込む光に
慣れ親しんでいる、ということだそうです。
北欧の劇場に行くとその地の緯度が高い分、
(そこに住む人たちがふだん慣れ親しんでいる太陽の照射角度に合わせ、)
照明もかなり高い角度から照らす傾向にある、
というお話もありました。

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それに続く音響のレクチャーでは、
スピーカーを何台使うのか、設置場所をどこにするのかなど、
音響機材の設置についての基本的な考え方に関するお話のあと、
チューニング作業のお話に移りました。
スピーカーの特性と劇場の特性(反響)なども考慮に入れ、
お客さんにとって嫌な音でないかどうか、
楽曲のどこを聞かせたいのか、逆に聞かせたくないのかで、
イコライザーを操作して基本的な音のチューニングを
している、と小早川さん。
チューニングに使う音は、まずは聞き慣れた、
自分の好きな音楽を使って、それから、
公演で実際に使う音ではどうか、というふうに調整している、
それに加えて、曲毎に音の周波数を変える必要がある場合は、
ミキサーのつまみで微調整している、ということでした。
その後は、公演で実際に使う音を使って
チューニングの作業が公開されました。
レクチャー終了後の夕方からは、24日にセンターで公演を行う
ロスホコスとセレノコンパーニョのリハーサルが行われました。

明日(12/23)は、ダンス創作現場を開放していただき、
隅地さんによる、ダンスの楽しみ方のレクチャーが、
明後日(12/24)は、京都のオヤジダンサーズ、ロスホコスと、
静岡の市民ダンサーズ、セレノコンパーニョのダンス公演に加え、
阿比留さんと隅地さんに、野田雅巳さん、
山田珠実さんの加わったダンス作品も上演されます。
これは今からも楽しみです。
この機会にぜひ、足をお運びください。

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