中高生向けのワークショップもいよいよ終盤。
この日(8/26)は、ルドルフの筒井さんをお迎えして、
演出の講座が行われました。
最初は(少しの時間の)座学から始まりました。
筒井さんは、まず、演出の一般的な定義を紹介し、
そして、その意味を参加者みんなと確認。
それから、チェーホフの「かもめ」の舞台映像を7つ紹介。
ロシア、イギリス、日本(無名塾・地点)で行われた公演で、
舞台美術や衣装なども様々な中で、
演出の仕方の違いを感じてもらいました。
演出家の仕事で一番大切なことは、
できるだけ具体的なことばにして、
それを役者やスタッフに伝えて共有していくこと、
それと、なぜそうしたいと思うのか、
演出家は絶えずその理由を探っていくこと。
ということで、演出家の仕事を知るための実践編として、
別役実さんの寸劇「勝手にしやがれ」の冒頭部分を
参加者3人にパンダさんを加えた4人が、
交代で役者となって実際に演じながら、そのうちの1人は、
これも交代で演出に挑戦してみることになりました。
最初はなかなか勝手が分からず、どこに目を付けたらいいのか、
どういうことを伝えるべきなのか、と戸惑いがちな参加者たちに、
筒井さんはその都度、必要なことばをかけて進めていきました。
「私はこう見る(見える)でいいよ。人によって違うから」
「よかったところ、面白くなかったところ、
よくわからないところをメモすること」
「この脚本の起承転結のそれぞれはどこからどこまで?」
「このことは脚本が長くなるほど大切になってくる。
まとまりを意識していると、全体の構造が見えやすいので、
分からなくなった時に、そこに立ち返って考えられる」
「演出の初期は、役者さんに好きにやってください、
というのも大事。最初から細かく指示し過ぎると、
役者さんから出て来るものが出にくくなるので要注意」などなど。
この日の参加者の感想は、
「それぞれの個性が演出に出る」
「俯瞰することでよく見える」
「最初、気にしてなかったことが見えてくる」
「観客の視点に立って見たことがなかったので新鮮」などでした。
次回はいよいよこの脚本全部に演出を付けてみます。
2023年08月31日
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