先日来、NODOGOSHI SKIPPERSという団体が
センターの創造活動室を利用して映像の撮影を行っている。
照明を吊って床を長方形に照らしたいが可能か?、
そのためにはどれくらいの灯体を吊ったらいいか?、など
いろいろと相談されていたので、仕込みの現場に立ち会って
天井のバトンから垂らされた透明のネット(=透過性の高いスクリーン)や
遮光用の細長いパネルを利用して遠近感を出しながら配置し、
その空間に、2つのプロジェクターから投影された
刻々と変化する映像を投影しているところを見て、
これは面白いと感じた。
そしてさらに、映像が投影されているその空間自体
(そこには人物が登場することもあるという)を
ビデオカメラで撮影するという。
という訳で、いろいろとお話を伺ってみることにした。
この団体で活動を始めたのは今年の6月からということで、
5人のメンバーそれぞれがコンピューターの編集ソフトを使って
素材の映像を創り、それらの映像を組み合わせて
構成された空間(今回はセンターの創活)でプロジェクターで映像を投影。
その場面・空間をビデオカメラで撮影した映像をさらに素材にして、
編集・製作された映像を外壁や建物の床に投影して、
「映像によるインスタレーション」を行う計画だそうだ。
メンバーは放送サークルで番組作りをしていたメンバーが中心で、
立命館大学の産業社会学部(情報メディアと社会の関係を
研究するのがメイン)と理工学部の学生なので、
専攻としては映像コンテンツを創るのが専門ではないが、
情報メディアと社会の関係を考える上で、
映像によるインスタレーションは映像と人との係わり合いの
原点ではないかとも思われる。
「映像を見せるものから、体験するものにしたい」という。
最近はVJ(ビジュアルジョッキー、あるいはビデオジョッキー)
というものがあるそうで、彼らはPJ(彼らの造語で
プロジェクションジョッキーの略)を目指している。
どこに映像を投影するかは確かに重要かもしれない。
今は壁とか床に投影することを中心に考えているという。
11月には学園祭で衣笠キャンパスやBKCで
学内施設の外壁や床に映像を投影して
インスタレーションを行う予定だそうだ。
確かに外壁の素材とか模様とか肌触りとか
汚れ具合も大切な要素かもしれない。
今日の作業は、撮影するためのビデオカメラを
その照明で区切られた長方形の真上を移動させ、
しかもカメラの角度を変えて撮影する仕掛けを試していた。
つり橋を渡すロープのように2本のロープの両端を天井のバトンに固定し、
カメラを固定した台座の金具にその2本のロープを通して
台座に取り付けたワイヤーを操作しながら
撮影に使うカメラの位置をコントロールしようと
するような仕掛けだ。
試してはみたものの、2本のロープだけではカメラが不安定だとわかり、
カーテンレール方式のような仕様がいいのではないか、
という結論に至った。
ものづくりの現場は、こういう試行錯誤がまた面白い。
2007年10月16日
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