2007年12月01日

砂連尾さんのダンス体験(S6)

久々のDance Performance Work Revisited!
シリーズ第6弾は砂連尾さんのダンス体験です。
砂連尾さんには、1994年10月に始めたモダンダンス・ワークショップ
(3年目に企画名をダンスパフォーマンス・ワークに改名)の講師をお願いし、
なんと2005年3月までの11年間、寺田美砂子さんと共に
初心者のダンス作品創作にかかわっていただきました。
1994年度と1995年度に開催したモダンダンス・ワークショップ及び
1996年度から2000年度までのダンスパフォーマンス・ワークは
中京青年の家(現中京青少年活動センター)で実施され、
修了公演としてのスタジオ・パフォーマンスも
中京青年の家の大会議室で行われました。
その後、2001年度から2005年度までは東山青少年活動センターで実施され、
スタジオ・パフォーマンスも創造活動室で行われました。
11年間の実施のうち、10回は初心者対象の事業でしたが、
9回目となった2002年度のみ、経験者対象の
ダンスパフォーマンス・ワークA(アドバンス)として実施しました。

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「私にとってのDPW」
                                             砂連尾 理

私がダンス・パフォーマンス・ワーク(以降、DPWと表記)の講師を
担当したのはニューヨークから戻った1994年の秋でした。
それ以降、11年にも及び2005年の3月まで、DPWの講師を
務めさせて頂きました。
DPWは私がダンス指導者として、社会と関わる初めての仕事でした。
就任直後、こんなにも長く続けることになるとは思いもよりませんでしたが、
DPWでの出会いや体験がその後の私のダンス観を育み、
また他者や世界との関係を思考する上で大きな影響を受けたと思っています。
この11年間に出会った人数は170名を超えています。

DPWの特徴は初心者を対象にしていたことです。
それまでの私は西洋のメソードを中心に学んでいたのでいたのですが、
そこに集まってくる受講生はそんな私のダンスコードの枠にはまらないどころか、
踊る身体も言語も持ち合わせていない人達が大半でした。
また、このクラスの最大の特徴として
参加者自身が自らの踊りを創作する事がありました。
ダンス初心者で、なおかつ創作も行う。
DPWはそれまでのダンスクラスのイメージ、
いわゆるメソードの習得及び修練からすると、
未知で新たな試みでした。

普通だったら尻込みするような、
そんな企画に参加する人達を改めて思い返してみると、
比較的ユニークで自由な人達が多かったように思います。
当然の事ながら、そんな彼等はユニークなからだの持ち主でもありました。
人見知りなからだ、言い淀むからだ、吃るからだ、沈黙するからだ、叫ぶからだ、
そして、言葉にならない実に多くのからだ、身体、体、カラダ、か・ら・だ、
がDPWには集って来ました。
そんなからだと接している内に、私自身も徐々に既成のコードから自由になり、
それまで抱いていた価値観から解放されていったように思います。

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発表会に向けたクラスの進行はグループワークを基本にしていました。
稽古も深まり、発表会が間際になると
自分とは全く異なる他者との共同作業の難しさに戸惑い、
混乱する姿に毎年遭遇しました。
その度に、私達は対話に多くの時間を割きました。
対話を通して、いま目の前に接しているからだは、
自分が経験したことがないような悲しみ、痛み、傷を抱え、
あるいは言いようもない齟齬を感じながら生きているかもしれない、
そんな他者のからだへの眼差し、想像することをそれぞれが学んでいたように思います。
そしてそこから生まれてくる個人個人の表現を理解していきました。
その理解の先には、私の想像を越えた表現や関係性が
毎年新たに生み出されていたように思います。
DPWの作品は、毎年そのようにして生み出されたのです。
そんなダンスに出会う度、ダンスを通して
対話し続けることの大切さ、その可能性を実感できた11年間でした。

そしてその経験が、その後続く寺田さんとの創作活動を
継続していく上で大きな支えとなったことは間違いありません。
全く身体性の異なる私達が、対話することに多くの時間を割き、
そのどちらか一方に偏ること無く、
お互いが共存していく私達のスタイルは、
このDPWの体験に依って形作られたと、私は強く実感しています。

DPWを終え、2年経ったこの春、私は久々に
東山青少年活動センターでダンスの時間を頂いています。
知的がい害者を対象にしたワークショップの講師に招かれ
1ヶ月に1回、彼等とからだを通した対話の時間を共にしています。
言葉が中々通じにくい彼等とは
それこそからだでの真剣勝負なぶつかり合いの連続です。
ここでどのようなからだに出会えるのか、
そして、またどんな新たな対話が生まれるのか、
緊迫しながらも楽しみながら毎月取り組んでいる所です。
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