2005年10月14日

杉山さんのビギナーズ体験(S2)

Beginners' Unit Revisited!、第2弾は杉山準さんのビギナーズ体験です。
杉山さんは1994年(平成6年)、演劇ビギナーズユニットの立ち上げから、
2代目プロデューサーである丸井重樹さんに引き継ぐ、1999年(平成11年)までの
6年間、この企画のプロデューサーを務めていただきました。
あの時、杉山さんや土田さん、参加者のみなさんと出会わなければ、
今の私はなかっただろう、と言っても過言ではない。
そして、演劇の素晴らしさ、青少年育成におけるその可能性の大きさも
一生知ることはなかっただろう。

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「やっぱり雨がふっていて‥‥」
 演劇ビギナーズユニット1年目の修了公演の打ち上げに向かう途中、
やっぱり雨がふっていて、通りかかった新京極はイベントと重なって
すごい人ごみだった。
先を焦っていた私は、彼女連れのヤンキーにぶつかってしまい、
「ナンヤこら!」とつかみかかられて、多くの人が取り巻く中、
あやまるわ、おだてるわ、彼女をほめるわ、やっとの思いで危機を抜け出し、
雨にぬれながら走って走って、会場に向かった。
私は興奮していて、それはヤンキーにからまれたせいもあったけれど、
感動的な公演を見て、バタバタと撤収作業をして、
ここまでの苦労がすっと晴れたような気がして、軽く飛び跳ねたいような気分で、
実際飛び跳ねるように居酒屋に入った。
みんな既に集まっていて、たぶん「遅れてごめん」とか言って席について、
みんなはちょっと高揚したいい顔で、そして宴会は始まった。
講師だった土田英生君が挨拶の時泣いたので、みんな泣いた。
私も泣きそうになったが、こらえた。
2次会のカラオケやさんでは盛り上がりが頂点に達し、裸でうろついたりして、
店員に怒られた。
全てが終わった時、心にぽっかりと穴が空いた。
あの仲間達との濃い時間が突然消えた。
たまらない脱力感、そしてなんとも言いがたい喪失感。
感動と一体の空虚感‥‥。

私にとって初めての公的な仕事となったこの事業は、
演劇の楽しさを体験してもらおうと、1994年の5月に始まった。
なんの実績もない私の持ち込んだ企画をよく受け入れていただけたな、
と今になって思うが、この体験こそ私のその後を変えたと言っても過言ではない。
企画者としてまさに初仕事、失敗も多く、また言うことは生意気なので
嫌がらせも受けた。
しかし、公募で集まってくれた26名のやる気と、若くて熱心な講師陣、
スタッフの情熱、そして西田さんを始めとするあたたかな青年の家スタッフの
サポートが、そんな私の至らぬところを吹き飛ばしてくれた。
初年度の予想以上の盛り上がりで、この事業の継続は約束された。
最低10年、できれば20年以上続かないと意味がない。
そう思ってスタートをきって今年で12年。
私も企画を離れて6年が経った。
人が入れ代わり、代を重ねながら今も続けていただいていることに
涙が出そうだ。
あのなんともいえない感動を、今年もこの事業に関わった多くの人が
味わったに違いない。
そしてこれからもそれが続くことを願ってやまない。

そういえば、私が関わった公演の時はよく雨がふったなあ。

                                         杉山 準
posted by Higashiyama Center at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】BU Revisited!(演劇体験談) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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